エアコンは法律によりリサイクルすることが求められているため、家庭で不要になった場合は法律に基づく方法で処分する必要があります。この記事では売却や譲渡も含めてエアコンの処分方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

 

特定家庭用機器のエアコンは粗大ごみではありません

エアコンは法律で「特定家庭用機器」に指定されている家電製品です。エアコンのほかにはテレビや冷蔵庫、洗濯機がこの特定家庭用機器に指定されており、これらが家庭でいらなくなった場合は、法律に基づく方法で製造業者まで戻す必要があります。そのため、エアコンをお住まいの自治体がおこなっている粗大ごみ等では処分できないので注意してください。

 

リサイクル対象のエアコン

ほとんどの家庭用エアコンがリサイクル対象の特定家庭用機器ですが、家庭用でもリサイクルの対象に含まれない製品があります。

・壁掛けセパレートエアコン

・壁掛けガスヒーターエアコン

・壁掛けハイブリッドエアコン

・壁掛けマルチエアコン

・床置きマルチエアコン

・床置きセパレートエアコン

・床置きハイブリッドエアコン

・窓設置タイプのエアコン

これらに加え、付属品もリサイクルの対象に含まれます。

一方、リサイクルの対象に含まれないのは以下のエアコンです。

・天井埋め込みタイプのエアコン

・壁埋め込みタイプのエアコン

・天井吊り下げタイプのセパレートエアコン

エアコンと似た機能が備わる以下の製品もリサイクルの対象外です。

・スポットエアコン

・冷風扇

・除湿機

・パッケージエアコン

なお、事業所で使われている場合でも家庭用のエアコンであれば家電リサイクルの対象です。産業廃棄物ではなく家庭用と同じ方法で処分してください。

 

エアコンの処分方法

エアコンの処分方法はおもに3つあります。

・家電店に処分を依頼

・不用品回収業者に処分を依頼

・指定引取場所を利用

それぞれの方法についてメリット・デメリットを含めて紹介します。

 

家電店にエアコンの処分を依頼

普段は家電製品を販売している家電店。家電店は、特定家庭用機器のリサイクルにおいて、とても大きな存在です。なぜなら、家電店は販売した特定家庭用機器がユーザーの元で不要になったときに回収する役割を果たしているからです。つまり、ユーザーはエアコンが不要になったら、その製品を購入した店に回収を依頼すればよいのです。

エアコンを単純に処分する場合は、そのエアコンを購入した家電店に連絡をして回収日時を調整します。

エアコンを買い替えるのであれば、新しいエアコンを購入する家電店に古いエアコンの回収を依頼します。どちらのケースでもユーザーは、家電店が定める「収集運搬料金」と製品により決まっている「リサイクル料金」を支払います。

 

家電店に処分を依頼するメリット

家電店は普段から利用する場所なので安心感があります。これが家電店に処分を依頼する一番のメリットではないでしょうか？

 

家電店のデメリット

家電店を利用する場合、エアコンの取り外しには別途お金がかかります。自分で作業できるのであればこのお金はかかりませんが、一般の方にはやや難しい作業なので、このお金はかかるものと思ったほうがいいでしょう。

申込から作業までにある程度時間がかかることもデメリットと言えるかもしれません。申込当日や営業時間外の回収を依頼することは困難です。

 

不用品回収業者にエアコンの処分を依頼

不要な家財を回収するなど、家庭の片付けに関するサービスを幅広く提供している不用品回収業者。この不用品回収業者を利用して不要なエアコンを処分することが可能です。

不用品回収業者は多くの人にとって家電店ほど身近な存在ではないはずですが、利用価値があります。エアコンを処分する場合、誰もが家電店を利用できるわけではありません。たとえば、エアコンを購入した家電店が廃業してしまったら、回収を依頼すべきお店はなくなってしまいます。こんなときに便利なのが不用品回収業者です。家電店を利用できない人にとっては不用品回収業者がファーストチョイスになるでしょう。

 

不用品回収業者に処分を依頼するメリット

不用品回収業者には、おもに以下のメリットがあります。

・エアコン以外の不用品も同時に回収してくれる

・即日や日時を指定しての回収にも対応してくれる

・多くの場合、エアコンの取り外し料金が回収作業に含まれている

・製品のコンディションによっては買い取ってくれることがある

 

不用品回収業者のデメリット

不用品回収業者にデメリットがあるとすれば、それは「信頼感」かもしれません。ほとんどの業者は健全な競争をしながらサービスを提供しているのですが、営業に必要な許可も持たないような業者が存在し、トラブルの種になっているようです。テレビなどのメディアにも取り上げられることがあり、不用品回収業者の利用に抵抗を感じている人もいらっしゃるようです。

しかし、繰り返しになりますが、ほとんどは善良な業者です。所在地や連絡先、サービス内容、料金表などをホームページで確認し、いくつかの業者を比較してから決めれば、トラブルに巻き込まれることはまずありません。

 

指定引取場所を利用してエアコンを処分

指定引取場所は特定家庭用機器の回収拠点として機能しています。日本全国に設置されていて、地域で回収された特定家庭用機器はここからメーカーに戻されます。通常、家電店が回収したエアコンはこの指定引取場所に運び込まれるのですが、ユーザーが自己搬入することも可能です。

指定引取場所を利用する場合は事前にリサイクル料金を納付しておく必要があります。家電製品協会のウェブサイト

参考:家電製品協会

でリサイクル料金の金額を調べたあと、郵便局でリサイクル料金を支払います。支払いには郵便局にある家電リサイクル券を利用してください。家電リサイクル券のシール部分を処分するエアコンに貼り、最寄りの指定引取場所に持ち込みます。

 

指定引取場所を利用するメリット

指定引取場所を利用する場合は自己搬入することになるので、収集運搬料金がかかりません。その分、処分費用は安上がりです。

 

指定引取場所のデメリット

エアコンを自己搬入するということは、自力でエアコンを取り外さなければならないということです。エアコンの取り外しは多くの人にとってやっかいな作業です。自分で持ち込まなければならないことも考えると、費用を節約できても、それに見合っているのかどうか微妙なところです。

 

エアコンの処分にかかる費用について

特定家庭用機器であるエアコンを処分する際にはお金がかかります。ここからは、家電店、不用品回収業者、指定引取場所を利用する際にかかる費用についてお話しします。

 

家電店を利用するときの費用

家電店を利用するときには、すでに触れたとおり、収集運搬料金とリサイクル料金がかかります。収集運搬料金は家電店により異なるものの、500～2,500円程度と考えておきましょう。リサイクル料金は製品により異なり、主要メーカーの製品であれば1,000円程度です。

これらに加えて、エアコンの取り外し作業に5,000～7,000円程度のお金がかかります。

 

不用品回収業者を利用するときの費用

不用品回収業者を利用するときも収集運搬料金とリサイクル料金がかかります。これらの合計額が8,000円程度になるのが一般的ですが、業者によっては取り外し作業のお金が含まれているため、合計すると家電店よりも安くなることが多いようです。

 

指定引取場所を利用するときの費用

もっともお金がかからないのは、この指定引取場所を利用するケースです。自分で搬入することになるので収集運搬料金を支払う必要がありません。エアコンの取り外しも自力でやらなければなりませんが、1,000円程度のリサイクル料金だけで処分することが可能です。

 

まだ使えるエアコンは売却処分も検討

まだ使えるエアコンでも、事情により処分しなければならないことがあります。このようなケースではエアコンを売却して処分することも考えてみましょう。

そもそもリサイクルするべきなのは、すでにこわれてしまっているエアコンです。まだ使えるエアコンは、リユースできるのであればリユースするべきです。

まだ製造からそれほど年数が経っていない製品であれば、家電買取の専門店やリサイクルショップに査定を依頼するといいでしょう。

古いエアコンだけれども、まだきれいだし、正常に動作するのであれば、ネットオークションやフリマアプリの利用を検討してみましょう。

 

まとめ

エアコンの一般的な処分方法を紹介しました。エアコンを含む特定家庭用機器を回収している自治体もありますが、これは指定引取場所への運搬を代行しているだけで、かなりの少数派です。

エアコンを処分する場合、原則は当該製品を購入した家電店に回収を依頼しますが、取り外しのことも考えると不用品回収業者の利用がおすすめです。